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IMSLPの主たるサーバーが2つとも物理的にカナダ国内(ひとつはモントリオールで、もうひとつはトロント)におかれているために、IMSLPはカナダの著作権法を遵守しています。この法律は、他の国の著作権法とは違っています。カナダの著作権法をとても簡単にまとめると、著作権の保護期間を作家や作曲家(などそれらすべて)の死後50年とすることを貫いているということです。
WTOまたはベルヌ条約の加盟国で最初に公表された作品のみが、カナダでは著作権の対象となります。しかし、すでに作品が元の国(すなわち、最初の公表が行われた国)でパブリックドメインとなっている場合を除き、どちらかの条約に署名していればほとんどのケースでは遡及的にこれが適用されます。
いくつかの作品が米国でパブリックドメインであってカナダや他の国ではまだパブリックドメインでありません。これは、米国法が、1978年より前に公表された作品について、最初の公表の日から起算しているためです。1923年より前に公表された作品なら(1923年より前の米国著作権法参照)、または米国内で1923年から1963年に公表されて1963年の法改正を受けていない作品なら1923年から1963年の米国著作権法参照)、ほぼ確実に米国ではパブリックドメインです。IMSLPは現時点で米国内にサーバーを持っていませんので、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のドーヴァー版(リプリント版)のような米国内に限ってパブリックドメインである楽譜は、現時点で投稿できません。
特定の楽譜の全体の著作権の長さ(すなわちパブリックドメインになる前の長さ)は、関係する三者(作曲者、出版者、もしあれば編集者)に与えられた期間のうち最も長いものに等しいということに気をつけてください。例えば、1985年にヘンレーから出版されたベートーヴェンのソナタの新訂版は、著作権が設定されています。(その作品がまだパブリックドメインとならない編集者によって編集されていており、加えてこの最初の版組に著作権が設定されていて、原典版にかかる25年のドイツの期間がまだ有効です。)一方で、1995年のドーヴァー版は古い版の再出版にすぎませんから、パブリックドメインです(ドーヴァーのスタッフが付け加えたタイトルのページとカバーを除いて。最初の版組がパブリックドメインなのでここには編集者の著作権が設定されていません。パブリックドメインの版組を再出版しても著作権は設定されません)。著作権表示は、通常、楽譜の最初のページの下部に書かれています。
アップロードする人が、そのアップロードがカナダでパブリックドメインになることを確かめるのに相当の労力を注ぐだろうと思います。どうか作品ページかファイル見出しに関連する注釈を加えてください。米国ではまだ保護されている作品でもカナダでパブリックドメインなら、書庫に入れることができます。このような作品をスキャンしてアップロードすることは、もし、その人が米国に居住しているのであれば、米国法侵害を引き起こす可能性があります。カナダとEUの法律とは対照的に、1978年より前に公表されたすべての作品は、米国の著作権において、最初に公表された日付が絶対的に重要です。
次の表は、著作権の状況を簡単に概観することができます。ここの表はどの作品がカナダ(ないし著作権保護期間が死後50年である国々)、米国、EU、ロシア(ないし著作権保護期間が死後70年である国々)でパブリックドメインであるか、またないかを一覧にしただけのものであることに注意してください。2007年の状況であり、公表日主義であった米国以外では、1938年と1957年の数字は毎年変わっていきます。「著者」という用語は、作曲者、編曲者、編集者を意味します。
著者の没年 | カナダ、 死後50年の国々 |
アメリカ合衆国 | EU、ロシア、 死後70年の国々 |
IMSLPで用いるテンプレート | |
---|---|---|---|---|---|
< 1954 | (死後50年) |
(意図や用途により例外が全くない†) |
(死後50年) |
なし: 常にパブリックドメイン | |
1954-1973 | 作品: Template:WorkNonPD-EU | ||||
> 1973 |
|
著者の没年 | カナダ、 死後50年の国々 |
アメリカ合衆国 | EU、ロシア、 死後70年の国々 |
IMSLPで用いるテンプレート | ||
---|---|---|---|---|---|---|
< 1954 | 更新されておらずNIE状態であるという証拠与えられている場合を除いて‡ |
Template:WorkNonPD-US Template:FileNonPD-US | ||||
1954-1973 | 更新されておらずNIE状態であるという証拠与えられている場合を除いて‡ |
| ||||
> 1973 |
|
‡(米国:更新されておらずNIE状態であるという証拠は、1923年から1963年に公表された作品にのみ適用されます。1964年から1977に公表されたすべての作品は自動的に更新されて、最初の公表から95年の全期間を享受します。1978年以降に発表された作品は、死後70年の著作権保護期間となります。)
公表年 | カナダ、 死後50年の国々 |
アメリカ合衆国 | EU、ロシア、 死後70年の国々 |
IMSLPで用いるテンプレート |
---|---|---|---|---|
1923年より前 | なし: つねにパブリックドメイン | |||
1923-1953 | ファイル: Template:FileNonPD-US | |||
1954-1973 | 保護期間内 | ファイル: Template:FileNonPD-USandEU | ||
> 1973 | ファイル: Template:FilenotPD |
カナダでは出版それ自体の行為だけでは著作権はありません。したがって、パブリックドメインの出版物を編集せずにリプリントしたり版の作り直しをしたりしても、パブリックドメインです。しかし、かなりの匿名の編集があるような場合には、カナダの著作権法はこのような作品では編集者が公表されない限り、著作権が出版から50年間続くという立場を取ります。もし編集者が公表されたら、死後50年にもどります。しかし、その不確実な性質から、この条項の使用はお勧めできません。カナダと違って、米国では作品のパブリックドメインの状態を決定するのにおいて公表の時づけは非常に重要です(1923年より前の米国著作権法参照)。「Edition(版)」という語とか、「edited by(によって編集された)」というクレジットは、原曲の重大な再編曲や再オーケストレーションから、古いパブリックドメインの楽譜の完全に変化のない再印刷まで、幅広い意味合いで、出版者が自由に用いました。
重要でない編集的な寄与はそれだけでは著作権となりませんが、重要なものは著作権となります。編集者の死後50年の全期間(または実際はどんな期間であっても)のために相当する編集であるためには、編集者の作品に対する寄与は重要で創造的な本質 - 法的な用語で「独創性のしきい値」と呼ばれるもの - のものでなければなりません。以下に重要な編集行為と重要でない編集行為の簡単な一覧をあげておきます。
いくつかの国では学術的な版に対する限定的な著作権についての特別な条項があります。それには、本文批評版、原典版、「学術的な」版が含まれます(特にベーレンライターと他のドイツの出版社の版について)。より詳しくは各国・地域の著作権法の節をご覧ください。これらの版がどんな編集者序文、注釈、論評であったとしても、カナダで著作権上の地位に値するには不十分な独創的要素しか含んでいないが、IMSLPは礼儀として自発的に、出版から25年を経ない原典版と本文批評版の投稿を、政府機関や国有企業によって発行されたもの(1991年後半のソ連の終焉の前に、ソ連の国営出版社が関わって発行されたような)を除いて禁止しています。
パブリックドメインの出版物のリプリント版は、カナダ、米国、EU、その他ほとんどの国(すべてではない)で保護対象になりません。これは紙へのリプリントの場合に限らずデジタルメディアやインターネットのためにスキャンされたリプリントもです。パブリックドメインの作品のスキャンは、スキャン元が印刷であろうと手書きであろうとにかかわらず、著作権を要求されることはなくてすみます。(ブリッジマン・アート・ライブラリ対コーレル・コーポレーション事件 (日本語) (英語) をご覧ください。)
この規定は、元の国でパブリックドメインであれば、原則として、どのベルヌ条約締結国でもパブリックドメインになるというもので、ベルヌ条約では、公式に、この規定を適用することが採用されています。この規定は、米国やカナダでは適用されてきていません。
欧州連合 (EU) は、元の国がEU域外であるような作品について、この規則が適用されます。ですから、米国でパブリックドメインとなった米国人の作曲家の作品は、EU域内ではどのような追加的な保護も保証されません。ただし、米国とEU内の当該の国との間で二国間条約がアル場合は保証される場合があります。
元の国の原則は明確に定義されていないために、議論の的となることがあります。作家の国籍、作品の最初に公表された国または国々によって決められるでしょう。
カナダの著作権法は次のように言っています:
「第1項において言及されているよりも短い保護期間を与えられることとなる北米自由貿易協定締結国を除き、いかなる国の著作者も、カナダにおいてより長く保護期間を要求する権利を与えられない。」
この条文の重要な意味は、1923年までに米国で公表された出版物は、米国が北米自由貿易協定 (NAFTA) の締結国なので、自動的にはカナダではパブリックドメインにはならないということです。
適用されるNAFTAの条文:
1703条 国民の扱い 1. すべての知的所有物の権利の保護と行使に関しては、それぞれの締結国は、 他の締結国の国民に、自国民に対するよりも不利でない扱いをしなければならない。
1954年以前に没した著者の生前に公表されたすべての作品は、保護されていません。1955年以降に没した著者の期間は70年間です。
欧州連合域内における著作権保護期間の調和に関する指令 (英語) の主な目的は、EU加盟国のために著作権保護期間を死後70年で調和させることであって、この時点で死後50年となっている加盟国でパブリックドメインに入っていた作品の著作権の地位を回復することを含んでおり、2006/116/EC指令でより強固なものとされました。第5条は、パブリックドメインの音楽の版を尊重する独特の重要性についてのものであり、加盟国は「パブリックドメインにすでになっている作品の本文批評版と学術的な版」を出版後最大30年間保護してもよいと述べている(斜体を加えた)。第4条は、初版の日付から25年間出版されていなくて、当該の作品がその出版がなされた国の特定の法律の通りに「合法的に出版されて」いてることを規定していたならば、パブリックドメインの作品の出版社に著作権を認めている。
すべてのチェコ政府出版物はパブリックドメインです。アルティア社、オルビス社、SNKLHU、スプラフォンは1948年から1989年まで国家機関だったので、これらに明白な影響があります。Czech Republic copyright actをご覧ください。(ファイルは、チェコの著作社の権利の組織であるOSAがホストしています - リンク切れ)
基本的な著作権は最後に没した著者の死後70年間です。無名の著者の出版物は出版から70年の著作権を享受します。出版されていなければ、創作から70年です。
イングランドは、「印刷上のアレンジ」に関して特別な法律があります(「印刷上のアレンジ」とは本質的には版の作り直しを意味します)。「印刷上のアレンジ」は、出版から25年間だけの著作権になります。[1] これは多くの、元はドイツでイングランドに移転した出版社 (たとえばオイレンブルク) に影響があります。
基本的な著作権は最後に没した著者の死後70年間です。無名の著者の出版物は出版から70年の著作権を享受します。出版されていなければ、創作から70年です。「フランスのために死亡」した著者の場合、30年間追加されます (ジュアン・アランのように)。加えて、遺作の著作権は、出版の年から25年間です。[2]、[3]
基本的な著作権は最後に没した著者の死後70年間です。無名の著者の出版物は出版から70年の著作権を享受します。出版されていなければ、創作から70年です。遺作の最初の出版は、出版から25年だけ保護されます。
ドイツの著作権法70条により、科学的な分析の結果 (すなわち、学術的、または本文批評版ないし原典版) として生み出された出版物ともいうべき、科学的出版物は、出版から25年間だけ保護されます。ですから、ドイツで1983年よりも前に出版されたこのような科学的出版物はすべて、パブリックドメインです。しかし、編曲、オーケストレーション、数字付き低音のリアリゼーション、それに解釈版は、フルに死後70年の保護期間を享受します。
ポルトガルの基本的な著作権期間は最後に没した著者の死後50年だけで (遺作作品の場合も同じです)、また、著者が特定されない場合、出版から50年間です。ポルトガルの著作権法は、翻訳、編曲、器楽編曲、脚色、映画化、それに、基本的には、どのような作品の変形にも別々の条項を留保していますが、これらの作品について明確に著作権保護を明示していません。(世界知的所有権機関の法文)
現行のロシアの著作権法は、きわめて複雑です (ウィキペディア英語版)。基本的に、1953年より前に没した著者の作品は、パブリックドメインです。一方、1953年以降に没した著者は、70年の保護を受けます。帝政ロシアの法律はドイツのそれにとてもよく似ており、作品は死後50年間の著作権が保証されていました。しかし、ロシアは1888年のベルヌ条約に調印しておらず、ロシアの作曲家の作品は、Jurgenson and Besselのようなロシアの出版社と西ヨーロッパのたとえばD. ラーターやボーテ・アンド・ボックやブライトコプフ・ウント・ヘルテルとの共同出版合意を通してのみ保護されました。
1917年の共産革命によって、この状況は徹底的に変化しました。ほかのすべての財産所有権の種類とともに個人の著作権は廃止されました。この変化は、ロシアの作曲家の著作権の状況に大きな災いをもたらしました。プロコフィエフ、ラフマニノフ、ストラヴィンスキーのような西側にすんでいる作曲家でさえ。ソビエトでも外国でも、すべての作品は、事実上ソ連の国家財産となったので、国外に住むソビエト国民の作品を含め、すべてのソビエトの作品は西側諸国ではパブリックドメインと見なされました。ソビエトの著者の作品が西側の著作権の地位を確保するための条約に従うために、ついに1930年代にソビエト政府は出版後15年間の限られた期間を導入しました。しかし、ソ連国家は完全に生前没後の人々のすべての作品の出版をコントロールしました。ソビエトの作曲家のオリジナル作品はいくつかの条約のおかげでソ連以外の場所で著作権の地位を与えられましたが、パブリックドメインの作品の版がソビエト国営出版社のムズィカ社から発行されました。これらは国営企業の公務員によって作られ、著作権保持者 (ソ連) は1991年後半にその存在を終えたので、一般にパブリックドメインと考えられます。
基本的に、1923年より前に出版されたすべての作品は、米国ではパブリックドメインです。現在、西部諸州にのみ影響する第9巡回区合衆国控訴裁判所の異例の判決をのぞけば、1923年より前に出版されたどの作品も、それがどこで最初に出版されたかにかかわらず米国内でパブリックドメインです。 参考: コーネル大学著作権センター
米国では、もし、著作権が更新されておらず、また、作品が適切な著作権表示なしに出版されていれば、1923年から1963年までに出版された米国の著者と所有者の作品はパブリックドメインです。現在、1950年より前に出版された作品の更新の状態を確認する唯一の方法は、米国著作権局の記録に自分で公式の検索を処理するか、著作権局それ自身に有料で公式の検索を頼むかどちらかです。後期の記録は米国著作権局のウェブサイトでオンラインで見ることができます。このデータベースは1950年に最初の出版がされた作品の更新を含む1978年以降の記録だけが索引づけられています。1923年から1977年の音楽以外の記録はグーテンブルクプロジェクトに索引があります。
米国外の作品で、この期間に米国法の更新規定を満たせなかった結果、いったんパブリックドメインとなった、いくつかの作品は、当該の作品がまだその元の国でパブリックドメインでなかったならば、GATT/TRIPSの改正の規定 (1996年1月1日発効) によって著作権の地位が復活しました。1996年1月1日時点で元の国でパブリックドメインであった場合は、米国著作権の復権に当たりませんでした。ほかの場合は、米国著作権法が適用されます。より詳しくは、英語版ウィキペディアの記事をご覧ください。
すべての米国政府の出版物はパブリックドメインです。
作曲家
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Category:Non-Public Domain Composers | パブリックドメインでない作曲家 |
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